サプリメントの功罪

国民栄養調査というものがあるのですが、それが今困ったことになっています。原因はサプリメントです。

サプリメントは、近年かなり市民権を得て、コンビニでもどこでも入手が可能ですが、実際のところかなり野放しな状態なのです。野放しというと聞こえはかなり悪いですが、要するにいろんなデータの管理が全くされていません。

サプリメントでは、この一粒でレモン○個分のビタミンC!と言ったような文句を見かけますが、"本当にそれだけ入ってるの?"ということももちろん疑問には思いますが、それ以上に、レモンを○個食べたのと同じ量のビタミンCを体内に吸収できるのかどうか、といったことがよく分からないんです。

なので、国民栄養調査の栄養摂取状況調査では、どの野菜を一日どの程度食べたか、という調査をすることで、一日どの程度のビタミンを取っているかということを割り出すのが基本なんですが、そこにサプリメントが入ってくると、野菜などに併せて、ビタミンCを補給するサプリメントを一日2粒摂取した、というデータを手に入れても意味が無くて、そのサプリメントはどこの製品か、その製品はどの程度ビタミンCを体内に吸収するというデータがあるのか、などなどといった付随する情報が最低限必要なのにそのデータがどこにもないんですよね。

サプリメントを利用することで、栄養状態が向上したことは間違いないと思いますが、はたしてどの程度向上したのかは、今のところちゃんとした評価が出来ていません。少なくともその先兵となるはずの国民栄養調査は今後どうなっていってしまうのでしょう。このままでは、その結果の信頼性が年々低下してしまうのは間違いないと思うんですが。