都内7病院が受け入れ拒否した事件の疑問点

<妊婦死亡>7病院に受け入れ拒否され手術3日後に 東京
妊婦死亡:産科医「頭部疾患伝えた」

この二つの記事を読んだ上での疑問点ですが。

1.墨東病院ERの体制が整っていないことは、都内の医療従事者であればある程度著名だったはずなのではないのか?

墨東病院のERは体制が整っていない、というのは実は有名な話です。体制が整っていない、というのは言い過ぎかもしれませんが、少なくとも今回のケースで、「総合周産期母子医療センター」に指定されているはずの病院の当直医が4年目の医師一人だけってのは、あまりにも少なすぎませんか(しかも、土日祝日はこの供給体制で確定しているというなら、土日祝日は実質受け入れられないってことですよね、つまりは)。
正直、この場合、東大か医科歯科に搬送したら良かったんじゃないかと思います。
今回の場所的に、一番最初にこの選択肢が出る必要はないですが、いくつかの病院に断られた時点でこの2つが出てきても全くおかしくないのに(むしろ、最初に第3選択肢くらいで念頭に置かれるべき病院だと思いますが)、順天堂大学病院に断られたらしいのに、位置的にその隣にある医科歯科が選択肢にすら上がらなかったのは理解できません。

2.「頭部の疾患を伝えた」(脳出血の疑いがある)というのであれば、墨東以外の6病院が「NICUが不足している」という理由で受け入れを拒否しているのが矛盾しないか?

…妊婦で、且つ激しい頭痛と下痢や嘔吐がある、という症状だけ聞けば、それほど脳出血を強くは疑わないはずです。実際にその患者を診ている医者は、それ以外の要因(既往歴や、患者の様子など)から、脳出血を疑っても全くおかしくはないですが、正しい説明がない限り他の医師に伝わるはずもありません。NICU不足で断る、という理由が出てきてしまうということは、少なくとも病院側に脳出血の疑いが全くなかったことを意味しているのではないでしょうか。

塩野医師は「脳内出血を疑ったからこそ、脳神経外科と産科のある病院に連絡をした。ただ、電話で『脳出血』とは言っておらず、伝え方が悪かったかと言われれば真しに受け止めるが、頭部に疾患があることは伝えた。急いでいる状態を察していただきたかった」と話した。

厳しい言い方をすると、勝手に思っているだけなら誰にでも出来ます。急いでいたなら、少なくとも「脳出血の疑いがある」と直接言うべきだったはずです。

3.墨東の産科の当直医が「インターネットで搬送先が探せる「都周産期医療情報ネットワーク」を検索し、受け入れ可能の表示があった3病院を紹介した」というなら、そもそも搬送を担当した救急隊員の能力が低かったのではないか?

…真っ先に墨東に連れて行くこと自体は悪くないです。ただ、症状を的確に理解し、状況を見極めた上で患者を適切な病院に搬送するというのは救急隊員の能力じゃないんでしょうか。断られた先の医師に「周産期医療情報ネットワーク」で検索してもらって、その病院に受け入れを依頼したというのなら、語弊があるかもしれませんが、そりゃ断られますよ。「周産期医療情報ネットワーク」が正常に機能していないのは明白なんですから。この件以外でもそのような手順を踏んでいるのでしょうか?

それと、この手の報道でいつも思うのは、病院側には他の言い分もあるだろうなあ、ということです。もちろん病院側に非がないかというと、そんなことはないとは思いますが、もっと関係各機関がちゃんと連携していればどうにかなったかもしれないんじゃないのかなあ、というのはぼんやりと思います。ただ、新聞報道を見るだけですと、情報があまりにも断片的すぎて、正確な判断は出来ないんですけどねぇ。

地方の医療の質が東京よりも絶対に低くなる理由 -人材供給編-

断言します。
東京、しかも特に23区内は日本で一番医療の質が高いです。
言い換えれば、地方は医療の質がかなり低いです。

さて、その原因は何なのでしょうか。
もちろん、厳密には医療の質は医師の質に寄りますので局所的には医療レベルが高いところが産まれる、といったことも起こり得ますが、今回はマクロな視点で見ることにします。

医師は、もちろん医学部医学科(医師を養成する過程)で教育を受けますが、それでは、例えば人口600万人を超える千葉県では、医学部医学科を持つ大学は何校あるかご存じですか?
…答えは、1校(千葉大学)です。

千葉大学の医学科は一学年100名ですので、千葉大学を経て毎年100人あたらしい医師が排出される計算になります(医者にならなかったり、医師免許が取れない人もいますけどね)。特に地方においては、地元の大学を卒業した医師、以外ですと、どこかから一本釣りしてきた医師、よっぽどUターン就職したい医師、でない限りほとんど他の地方に移動することはないので、千葉大学を卒業したインターン(医師)=千葉で働く医師の増加数、と考えて間違いはないでしょう(自治医大は今回考慮に入れてません)。

さて、実際、千葉は医師の獲得がかなり難しい地域になっています。
また、このご時世、産科にいきたいという医師は100人中ほとんどいないでしょうから、産科であたらしい医師を獲得するのは相当難しいでしょう(逆に、皮膚科や眼科などに流れる人は供給過多になってるかもしれませんけどね)。他地域の医師を引き抜いてくるのにも、多額のコストがかかります。
現存の医師で現場を回す→疲弊して徐々に現場から医師が離れる→あたらしい医師が確保できない→医療の質が低下する、といったサイクルになってしまうのも自明です。

千葉だけがこうなのか、と言えばもちろんそう言ったことはなく、基本的に1校しかない県がほとんどなんです。

だいたい、医学部医学科を擁する大学は、全国で79校あるんですが、そのうち14校は東京を本拠地にしている大学ですから、医師の排出数は東京が圧倒的に多いことが分かります。しかも、国立大学で医学部医学科を持つ大学が2校あるのも、東京だけなんですよね(東京大学東京医科歯科大学)。まぁ、今回の場合国立と私立に違いはないのですが、しかも、両校は同じ文京区内で、歩いていける距離にありますし、東京医科歯科大学の隣は順天堂大学病院だったりと、過剰とも思える充実ぶりなんです。

医師の数を増やそう!なんてことで大学の定員を増やそうとする動きなどがありますが、正直、焼け石に水だと思います。100人の定員を、105人に増やしました!としたところで何処まで意味があるのか。いや、もちろん全く意味がないとは思いませんが、それ以上に、東京で教育を受けた医師をどのようにして地方に回帰させて、そこで定着させるのか、ということに国は尽力をすべきじゃないでしょうか。

看護婦と看護師と看護士

人材派遣のクリエイトだったかのCMで、「看護士」という言葉が画面に映るんですが、見るたびに、あらあらと思ってしまいます(といっても2回くらいしか見たことないですけど)。

看護士、って、男性の看護師のことなんですよね。看護婦が女性を指す言葉なので、それの男性版というか。

確かに間違いやすいですけど、さすがにこういう企業は間違えちゃダメだよなぁ、と思うんですが、どうなんでしょう。ま、用語の定義は、医療でもかなり複雑なので、看護師と看護士なんてのは意味的にものすごく間違っているわけではないので許容範囲内と言ってもいいのかもしれないですけどね。

東京フルーツパーラー格付け

東京のフルーツパーラーで個人的に気になったお店をピックアップ。勝手に格付けします。はっきり言って、個人的な防備録です。評価は☆5で満点です。

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千疋屋-日本橋本店
メニュー☆3
サービス☆5
味☆4

たぶん東京を代表するフルーツパーラー。ちなみに、銀座千疋屋京橋千疋屋の二種類があり、こちらは京橋千疋屋です(銀座千疋屋は、フルーツパーラーというよりは喫茶店といった印象。個人的なものですが。)。
日本橋本店以外だと、実は結構味、サービスが落ちるので注意。今回は日本橋本店で評価。
フルーツを使ったデザートはまあまあ充実しているが、レストラン・パーラーともに、軽食のメニューが貧弱。カレーも美味しいけどね。サービスは問題なくすばらしい。土日だと混むが、ものすごく(30分以上)待たされる、というのはあまりないように思う。お店も広いですしね。
場所が日本橋な事を考えると、アクセスは微妙かもしれないが、店としては誰を連れてきても問題ないはず。そういう、無難な安心感は満点。

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万惣フルーツパーラー
メニュー☆5
サービス☆1
味☆3

新丸ビル地下にも出店したフルーツパーラー。本店は神田です。今回は本店で評価。
実は結構メニューが充実している。デザート系だと、生クリームが甘めかな。デザート以外のメニューだと、ドライカレーも有名だが、上に載っている卵焼きはひどい。食品サンプル?というような出来の時もしばしば。カレー自体は美味しいので残念。
ここの一番ダメな点はサービス。必要以上に入店を待たせる、(さほど忙しくもないはずなのに)客をさばけない、聞きに来るべき時に誰も聞きに来ない、など。あまりのひどさに途中で退席しようとしたこともしばしば。そこがどうにかならないものだろうか(男性マネージャーと、新人バイトが特にダメ)。
ランチメニューには飲み物が付きますが、アイス系を頼むと50円プラスになります。以前はちゃんと確認されたのですが、いつの頃からか全く確認されず、課金だけされるようになりました。ご注意を。

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タカノフルーツパーラー
メニュー☆3
サービス☆4
味☆2

ひょっとして一番有名店?新宿のお店は、土日は並んでますね。ちなみに、バイキングは女性同伴じゃないと男性は入店できませんのでご注意。今回は新宿の本店で評価。
メニューは軽食がほとんど無いが、サンドイッチは美味しい。パフェ類もまあまあ。ただ、フルーツの質は、実は今回紹介した中で一番悪いんじゃないかなぁ。旬を外したフルーツだと、酸っぱかったりまずかったりする場合もよくある。それと、ケーキはスポンジが美味しくない。

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フルーツパーラーフクナガ
メニュー☆3
サービス☆2
味☆4

四ッ谷のパーラー。場末感満点。1階は直営のフルーツショップです。
☆での評価はしにくいが、実は値段も安く、味も十分美味しい。デートに使うかは別として、コストパフォーマンスは満点。メニューも、フルーツのホットサンド、みたいなものもあり、他のパーラーとは違ったものが置いてあってそれはそれで楽しい。
来店者に、旬のフルーツを全部食べたらプレゼントを差し上げます、的なカードを配ってるけど、あれってみんな結構集めてるんですかね?コアな客を掴んでるのは間違いないと思いますが。

ワインが高い

ワインではもっぱらスパークリングワイン派の私ですが、数年前に比べ、今ってワインがかなり高くなってるんですよね。ユーロ高の影響、という話も聞きましたけど、それだけではないような気がします。世界全体でのワイン人気の高騰による品薄、という話も数年前から出てましたけど、そういうことなんですかね。

個人的にはサロンが好きで、それに似たシャンパンということでドゥラモットを好んで飲んでいたのが5年ほど前。当時は2千円台で十分買えたのですが、今倍まではいかないにしても、3千円台で探すのも難しくなってきました。まぁ、でも、サロンが2万円以上することを考えれば、今でもお得なのは間違いないですけどね。

その後、スペインのカヴァをどんどんと(週に1〜2本ほど)飲む、という方針に変わり、モンサラのブリュをどんどん飲んでいたんですが、気づけばそれも千円を超えてしまいました。ぼくが好んで飲んでいたときは、最安値で600円台だったのに。

で、今は何を飲んでいるのかというと、カヴァッレーリ・フランチャコルタのブランドブランを1ヵ月に2本ほど開けているわけですが、それも気づいたらどんどん値段が上がってしまっているようです。最初に見つけたときは2千円台の前半だったので、喜んでダース買いをしたのですが、今は3千円台の中盤くらいと言うところでしょうか?もちろんそれでもダース買いをしているのに変わりはないのですが、今後はもっと上がっていくのかなぁ。このワイン、見た目が綺麗で(クリスタルっぽくて)、華やかなんですよね。もちろん美味しいですし、結構お勧め。

美味しくて安いワイン、というのを見つけるのが昔よりも困難になってきた昨今。ワインって嗜好品なんだなぁということを改めて痛感しています。
そういえばマウントアダムのシャルドネなんていう、安くて美味しいワインの代名詞のようになっていたワインも、今では売っているところを探すのが難しいくらいになってしまいました(このワインは確かに美味しい。アンオークはお勧めじゃないですが)。

ただ、実はワインって結構酔っちゃうんですよね。他のお酒ならあまり酔わないのに。ま、美味しいワインを酔わない程度飲む、ということで今後もいきたいと思います。

サプリメントの功罪その2

サプリメントでどんな栄養素を摂取するのか、というのは皆さんどのように決めているのでしょう?

自分にはこの栄養素が足りないから、これを摂取しよう!という方向性でしょうか。もしくは、マルチビタミン(複数種類のビタミンを配合しているサプリメント)、といったような形でまとめて摂取しているのでしょうか?

もちろん、そのどちらとも間違いではないのですが、時々は気をつけなければならないこともあります。その代表例は脂溶性ビタミンでしょうか。

ビタミンA・D・E・Kは、脂溶性ビタミンと呼ばれています。
これはつまり水に溶けないということで、例えばビタミンCは水溶性ビタミンといい、過剰に摂取しても尿などから体外に排出されますが、脂溶性ビタミンは同様には排出されません。するとどうなるかというと、過剰に摂取した分は肝臓などにたまってしまい、臓器に負担をかけるだけでなく、場合によってはビタミン過剰症と呼ばれる各種の症状を発症させることになってしまいます。

通常、ビタミンA(レチノール)は過剰に摂取されるようなことはあまりないのですが、サプリメントなどによる過剰摂取は、頭痛や吐き気、皮膚の乾燥などの症状を引き起こしてしまいます。特に妊婦さんの場合は胎児への影響があることもあります。

では、脂溶性じゃなくて水溶性だから大丈夫、かというとそうでもないのが難しいところなのですが、適切に不足分をカバーするためにサプリメントを使用する、というのが正しい使い方なんですよね。もちろん、使い方を間違えなければサプリメントは私たちの生活の質を向上させることは間違いないと思いますから。

サプリメントの功罪

国民栄養調査というものがあるのですが、それが今困ったことになっています。原因はサプリメントです。

サプリメントは、近年かなり市民権を得て、コンビニでもどこでも入手が可能ですが、実際のところかなり野放しな状態なのです。野放しというと聞こえはかなり悪いですが、要するにいろんなデータの管理が全くされていません。

サプリメントでは、この一粒でレモン○個分のビタミンC!と言ったような文句を見かけますが、"本当にそれだけ入ってるの?"ということももちろん疑問には思いますが、それ以上に、レモンを○個食べたのと同じ量のビタミンCを体内に吸収できるのかどうか、といったことがよく分からないんです。

なので、国民栄養調査の栄養摂取状況調査では、どの野菜を一日どの程度食べたか、という調査をすることで、一日どの程度のビタミンを取っているかということを割り出すのが基本なんですが、そこにサプリメントが入ってくると、野菜などに併せて、ビタミンCを補給するサプリメントを一日2粒摂取した、というデータを手に入れても意味が無くて、そのサプリメントはどこの製品か、その製品はどの程度ビタミンCを体内に吸収するというデータがあるのか、などなどといった付随する情報が最低限必要なのにそのデータがどこにもないんですよね。

サプリメントを利用することで、栄養状態が向上したことは間違いないと思いますが、はたしてどの程度向上したのかは、今のところちゃんとした評価が出来ていません。少なくともその先兵となるはずの国民栄養調査は今後どうなっていってしまうのでしょう。このままでは、その結果の信頼性が年々低下してしまうのは間違いないと思うんですが。