Google Health登場

前から開発されていて、リリースが延び延びになってどうなることかと業界内で話題だったGoogle Healthのローンチが、ついに公式に発表されました。

Google Healthってなにが出来るのかというと、つまりは個人の医療データをweb上で管理できる体制を整えてますよ、Googleが、というもので、PHR(Personal Healthcare Record:個人の健康情報)の範疇内のサービスです。
正直、PHRだけだと先行事例がいくつもあり、だいたいMicrosoftが去年HealthValutというサービスを始めたところなので、なんだGoogle遅いじゃん、これはダメっぽい?、ということにもなるかもしれませんし、本当にそうなのかもしれないですが、一つ注目するとしたら、RHIOとの融合という点でしょう。
RHIOとは、アメリカの地域医療に関する情報を扱っている機関で、病院間の情報共有を促進する立場にあるところです。いや、でした、かもしれないです、つまり破綻しつつある状況なのです。破綻の原因はいろいろとあるでしょうが、RHIO自体がダメだったというわけではないはずなので、Googleが資金的な手厚い援助をして、技術的にも支援をしたら生き返るどころかかなり盛り返してくる可能性もあります。で、Google HealthとRHIOが一緒になって、地域医療に関してシェアを握ることになったら、他のベンダーは太刀打ちできなくなる可能性もあります。可能性があります、ということが2つ続いた上での話なんですが、そこが突破口かなぁ、と。まぁ、もちろんGoogle Health自体を見てみないとなにが出来るのかは分からないんですけど。

で、仮にこれが日本に参入してきたらどうなるのか、という点においては、不明としか言えません。Microsoftは今日本の医療情報分野に入りたくてたまらないのですが、去年やり方を間違えて業界全体からにらまれてしまいましたので、もちろん同じ間違いは犯さないと思いますが、少なくともGoogle Healthをそのまま日本に持ってきたとしても普及はしないでしょう。どこまで日本のやり方に併せて、業界的にも波風立てず、しかも新しいサービスを展開できる余地があるとGoogleが判断するかが注目です。…無理だろうなぁ。